雑誌「現代思想 2013年3月号」(特集=大震災七〇〇日 漁師・サーファー・総理大臣・・・それぞれの現在)掲載。

震災ボランティアから得た「支援論」は、具体的で理解しやすい。

“Aさんは苦しいと言い、眠れないと、あるとき呟く。Aさんの身近にいる人は、最初は親身に話を聴くことが出来る。しかし聴き続けていく側も、解決し難い課題を共有し続けていくことになる。Bさんもご家族自身も被災されている方であるし疲れているだろうから、もしかしたら、あるとき聴くのに疲れてしまって、少し距離を置くようになってしまうかもしれない。~略~ Aさん自身もそういうことを敏に感じてしまって、心情を吐露することをしなくなって、黙ってますます孤立してゆく。しかしもしも、その身近な人たちが、疲れたとか眠れないという訴えに対して解決方法を持っていたとしたらどうだろうか。話を聴いて、解決できない苦しみの中でともに苦しい思いを共有するだけでなく、具体的に解決する方法も教えることが出来る”

支援者と非支援者との間に人を置く。中間の人には支援の方法を学んでもらう。それによって支援の網の目からこぼれた人に支援の手が届くようになる。自分で全てしなければ気がすまないのは時にマイナスになる。組織化された支援こそ大切だ。

続いて、カーシェアリングに触れる。石巻・日本カーシェアリング協会の吉澤氏の言葉。

“「物を所有すると、便利であるから、人とのコミュニケーションが必要なくなってしまうんです。しかし、シェアするということであれば、便利ではないけれど人と人は繋がることができます。シェアするためには、会話しなければなりません。」~略~「便利さは、人を孤独にする。私たちがシェアするのは、車じゃないんです。シェアの仕方を、やり方を話しあっているんです。」”

森川先生の連続講座で話しを聞き感銘を受けたエピソード。会話=問題の共有が「楽になる」一番のクスリ。

福祉仮設住宅地域交流拠点「あがらいん」は、高齢者施設。

施設に入って、上げ膳据え膳で、ときどきみんなで歌を歌ったりするような人生。それは、あがらいんと出会うまでは、自分の決められた運命のようなに苦しいものとして感じたのだという。あがらいんは、認知症になって家では住めなくなった人たちが居る施設だ。通常施設に入れば、徘徊するなどの理由で安全に囲まれて地域と縁が切れてしまうことが多い。ところがここでは、地域の人が本人たちと出会う機会がたくさんあった。”

森川先生の考えは、(障害者も、高齢者も)本人が望む場所で生きるということ。コミュニティは安全策を用意するのではなく「苦労の経験値を積み重ねる」のだと言う。

「今の生活の中で生きていく力を蓄える」ことは、今の苦しい生活を無くして解決していくことではない。その苦労さえもが生きる糧になると信じぬくことである。~略~ 今の生活が問題だとして便利な箱をただ作るだけの支援になるのか、その何者にも代えがたい苦労の経験値を生かすことができる支援が生まれるのかの選択が、人々が生きるための分岐点の行き先を決めることになるかもしれないと感じたのである。”

【講座のお知らせ】
僕は主催者でもなんでもないですが、2回この講座に出席し、良い刺激を受けたので宣伝します。


森川すいめい先生の連続講座
知っていたい間違いだらけの認知症医療

一方的な講義ではなく、参加者とのやりとりも交えて進みます。肩のこらない語り口で楽しく学べます。おススメします。僕も参加します。

日時:4月28日(日) 午後1時30分~4時30分講座終了後、懇親会予定。

場所:ルノアール(貸会議室マイ・スペース 南池袋1-16-20 池袋西武横店ぬかりやビル2F)

費用:3,000円※全額、ホームレス支援のNGO団体「TENOHASI」に寄付されます。※懇親会は、450円程別途。飲み物だけで行います。

主催:予防医療を考える会

定員:30名先着順。

申込み:FAX 0258-66-8195 森川先生講座と書き、お名前・ご住所・お電話・性別・年齢。