忙しくて絵を描く時間を取れないと嘆く方が僕の周りには多い。そんな方々へ。デュシャンはこんなことを言っています。

 

「まず、運がよかったことですね。
実際のところ、私はこれまで生活のために働かなければならなかったことはないのですから。
生活のために働くというのは、経済的な観点から見ても、少しばかげたことだと思います。私は、やがて人々が無理して働かなくても暮らしていけるようになるだろうと期待しています。
~略~
それに産みの苦しみ----私にとって絵画ははけ口だったわけではないのですから----とか、自分を表現したいというやむにやまれぬ欲求を感じたこともありません。
朝に晩に、一日中でもデッサンしたいとか、スケッチしたいなどというような欲求は、まったく持っていなかったのです。

妻とか子供とか別荘とか自動車とかによって人生が厄介になってはいけないと、十分に早い時期にデュシャンは悟ったそうだ。僕はデュシャンがあげたものは全部持ってないけど、彼にならったわけじゃない。それはともかく、多忙なアーティストには心に響く言葉でしょ。後半から前へと逆に読み進めて解釈してみる。デュシャンの言葉を解釈する--凡人編--。

それほど絵を描きたいわけじゃないけど、自分の仕事は絵なんだって思うようにしよう。制作時間が取れなくて辛い。なぜなら自分のアイデンティティはアーティストだからと言いくるめよう。客観的に見ればすっごく凡人だから。