初版(フランス)から45年経っています。が、いまだにインスピレーションを与えてくれる。1996年、80歳のデュシャンへのインタビュー。

現代美術の方向を決定付けたデュシャンの言葉は示唆に富み、色褪せていません。

一部引用します。

あなたはまた、芸術家は自分の作品の本当の意味を意識してはいないのであり、作品を解釈しつつ、観客はつねに、その追補的な創造に寄与しなければならない、とも言っていらっしゃる。
「私は、芸術家の<メディア>としての側面を信じています。芸術家は何かをつくる。そしてある日、大衆の介入によって、観客の介入によって、彼は認められる。そうして、彼は後世にも名を残すことになるのです。 ~略~ 私は、作品を見る者にも、作品をつくる者と同じだけの重要性を与えるのです。 ~略~ アフリカの木のスプーンは、それがつくられたときには、まったく何でもないものでした。単に機能的だっただけです。ところが、その後で、それは美しい意もの、つまり<芸術作品>になりました。」

「見る人こそが美術館をつくり、美術館に収蔵されるものを決めるのです。美術館は、理解や判断の最終的な形なのでしょうか。<判断>というのも、ひどく厄介な言葉です。たいそう危険な言葉で、しかもフラフラして弱弱しい。ある社会が、いくつかの作品を受けいれることに決めて、それでルーブルのようなものをつくり、それが何世紀も続く。しかし、真実とか本当の、絶対的な判断について語ること、私はそんなことはまるっきり信じていません。

多くの優れた画家が運に恵まれなかったために忘れ去れたと語っています。また、ピカソのようなスターを大衆は求めているとも。
まったくその通りですね。ことさら優れているの者が世に出るのではない。選ばれるという示威的な行為によって優劣が決められてしまう。

「芸術家は<メディア>である。」

若いアーティストには、かみしめてもらいたい言葉です。
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デュシャンは語る (ちくま学芸文庫)
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