美大を卒業しても就職出来る当てはない。美大は、パートのお兄さん、お姉さんを作る場所のようなものだともいえる。

けれど、学校に責任を負わせるのもいけない。

絵を描いていますと言えば聞こえはいいが、僕の見聞きしたなかで本気で制作に取組んでいる人は案外少ないのだ。

 

Tさんと僕は、そんな雑談をしていた。

Tさんは「稼ぐあてもない人間が、実家に卒業しましたと帰れるものだ。」と辛らつなことを言う。

「多少の稼ぎは絵で生みだせ。」ということだろうか。なんにせよ、Tさんの言葉に納得してしまった。

 

若いうちは質より量をうみだすのが正解だと思う。量をかせいでいる人は、めったに見かけない。バイトに忙しいというのが大方の言い分。せめて自分なりの稼ぎ方を見つけて欲しいのだ。

金を稼ぐ方法に、絵を売ることが入ってなくともかまわないだろう。経済活動と制作を、(とりあえず)分けた方がよいというのが自分の持論だ。

パートタイム・アーティストで十分。

と、ここまで書いて、僕の仕事は何なのだろう?と思ってしまった。売れるあてもない展覧会を開催して仕事したつもりと、もう一人の自分が言う。・・・まったく。

稼ぐ手立てを一緒に考えるのが自分の役目かもしれない。あるいは、評価を得る方法でもいい。

これからは出来る限り、そうしよう。

追記(5/31)

タイトルが、サンデル教授っぽくなってしまいました(^_^;)